再び注目を集めている合鴨農法とは? メリット・デメリットも併せてご紹介!

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合鴨農法は、水田でアイガモを飼育しながら稲作を行う日本発祥の伝統的農法です。近年、環境に配慮した農業への関心の高まりとともに、再び注目を集めています。

今回はそんな合鴨農法について、メリットやデメリット、成り立ちとともにご紹介していくので是非ご覧ください。

合鴨農法とは何か?

合鴨農法とは、水田にアイガモを放飼して雑草や害虫を食べさせることで、農薬や化学肥料を使わずに稲作を行う有機農業の一種です。この農法は、稲作と畜産を同時に行う「複合農業」とも呼ばれています。

ちなみに複合農業には、鯉農法なんかもあるみたいです。

合鴨農法の歴史と発展

合鴨農法の起源は古く、平安時代に中国大陸からアヒルやアイガモが日本に渡来した際まで遡ります。安土桃山時代には、豊臣秀吉が除虫と番鳥を兼ねて水田でのアヒル放し飼いを奨励したとされていました。

現代の合鴨農法は、1985年に富山県福光町の兼業農家荒田清耕が実用的アイガモ除草法を確立したことから始まります。その後、1991年に福岡県桂川町の古野隆雄氏が「合鴨水稲同時作」を確立し、全国に普及しました。

合鴨農法の具体的なメリット

優れた除草・害虫駆除効果

合鴨農法の最大のメリットは、除草剤を一切使用せずに高い除草効果を得られることです。アイガモは田んぼを泳ぎ回りながら雑草を食べ、水中の雑草も泳ぐときに浮き上がらせて除去します。

さらに、アイガモは害虫も積極的に食べるため、殺虫剤も不要になります。株元のノビエまでほぼ完全に食べてくれるため、機械除草では取りきれない細かな雑草まで除去できます。

動物に任せてしまって大丈夫なのかという懸念も、合鴨の器用さや習性を知ると途端に頼もしさに変わりますね。

天然肥料による土壌改善

アイガモの糞は優良な有機肥料となり、化学肥料の使用を大幅に減らすことができます。また、アイガモが田んぼを泳ぎ回ることで土が攪拌され、根が刺激されて稲の成長が促進されるとのこと。

肥料として動物のフンを使うのは有名な手法ですが、こういった面でも複合農業の強みが出てくるのがわかります。

合鴨農法のデメリットと課題

高い初期投資と管理コスト

合鴨農法には相応のデメリットも存在します。アイガモの購入費、電気柵などの防護設備、飼料代など、初期投資が必要です。特に外敵対策の設備投資は欠かせません。
私の地元でも合鴨農法は行われているのですが、キツネによる被害を受けることが多いそうです。

集中的な管理労働

合鴨の飼育管理は想像以上に手間がかかります。毎日の健康観察、餌やり、外敵からの保護など、通常の稲作にはない作業が追加され、特に放飼初期は弱るヒナの保護など、細心の注意が必要になるのです。

生き物を育てること全般に言えることですが、動物を育てる上で様々な責任を負うのは仕方のないことといえます。

技術習得の困難さ

合鴨農法は高度な技術と経験を要求する農法です。アイガモの適切な飼育密度、放飼タイミング、水管理など、失敗すると大きな損失につながる要素が多数あります。

心理的負担

最終的にアイガモを食肉として処分する必要があることに、心理的な負担を感じる農家も少なくありません。しかし、養殖のアイガモを野生に放すことは法的に禁止されているため、やむを得ない措置です。

他の農法との比較分析

上記の比較表からも分かる通り、合鴨農法は環境負荷が極めて低く、持続可能性が高い農法です。一方で、慣行農法と比較すると初期費用や労働負荷が高いという特徴があります。

慣行農法との違い

慣行農法は農薬や化学肥料を多用することで高収量を実現しますが、環境負荷が高く持続可能性に課題があります。対して合鴨農法は収量は普通レベルですが、環境に優しく高付加価値な米を生産できることが特徴です。

有機農法・自然農法との比較

有機農法や自然農法も化学物質を使用しない点では合鴨農法と共通していますが、除草方法に大きな違いがあるのです。合鴨農法は生物による除草という独自のアプローチを採用しており、労働負荷の軽減効果があります。

合鴨農法の将来性と技術革新

アイガモロボの登場

最近では、アイガモの代替として「アイガモロボ」という自動抑草ロボットが開発されています。このロボットは太陽光発電で自律航行し、水中を撹拌して雑草の成長を抑制します。2024年度には安価版の実証実験が全国で開始され、合鴨農法の省力化に大きく貢献することが期待されているとのことです。

技術力に驚きを隠せません・・・

環境保全への貢献

政府は2050年までに有機農業の取組面積を25%(100万ha)に拡大する目標を掲げており、合鴨農法はその実現に向けた重要な選択肢として位置づけられています。地球温暖化防止や生物多様性保全の観点からも、今後ますます注目されるでしょう。

上記にあるような合鴨ロボを日常に見かける未来も、そう遠くないのかもしれません。

まとめ:合鴨農法は持続可能な農業の未来形

合鴨農法は確かに高い技術力と労働力を要求する農法ですが、環境保全と高品質米生産を両立できる優れた農法です。初期投資や管理の手間はかかりますが、適切な技術習得と段階的な導入により、持続可能で収益性の高い農業経営が可能になります。

現在、世界的に持続可能な農業への転換が求められる中、合鴨農法は日本発の革新的な農法として国際的にも高く評価されています。技術革新により省力化も進んでおり、今後さらなる普及が期待される農法といえるでしょう。

今回の記事はこんなところです。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
それでは皆さん、また次回お会いしましょう。

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